遥斗は壁の方に振り返り、強く押してみた。

すると……

「ギィィ……」

その壁は開いたのだ。

遥斗はすぐにわかった。

これは壁ではなく、回転扉だと。

もしこれも罠だったら……

しかし、遥斗はこれに賭けるしかなかった。

遥斗はその中に踏み入れようとしたとき、後ろから玲奈が叫んだ。

「何処行くの!?ねぇ!助けて!」

遥斗は玲奈の意思に構わず腕を引っ張ろうとしたが、そのとき竹田の言葉が頭に過った。



"コノ迷宮ハ、1人ノミ、塔ニ辿リ着ケマス"