残り時間も少ない中、ようやく光が見えてきたのに。
ここに来て、鬼がやって来るなんて。
ここまで来て、捕まってたまるか。
遥斗は決死の思いで走った。
あと少しで竹田に追いつく、そう思ったとき、竹田の足が縺れた。
「うわっ!」
その声と同時に、竹田は地面に倒れた。
遥斗は竹田に追いつくと、早くしろ、と急がせた。
しかし竹田は恐怖のあまり、すぐに立ち上がることはできなかった。
遥斗は鬼との距離を確認し、再度急がせた。
「早くしろ!」
だが竹田は立ち上がることはできない。
もう鬼はすぐそこまで来ているのに。
時間がない、鬼もやってきている、しかし竹田を置いてっても、ゴールまでの道のりがわからない。
絶体絶命のピンチの中、竹田のスーツの裏地にある胸ポケットに、見慣れない紫の紙が。


