歩いても歩いても、辺りは永遠に薄暗く、壁が途切れることはなかった。

さっきも自分が歩いた道ではないのかと、疑う遥斗がいた。

いつまで経っても変わらない景色。

塔を目指して歩くも、本当に近づいているのか。

それすらも怪しくなる。

一生このままなのか、もしかしてここには自分以外誰もいないんじゃないのか。

遥斗の脳裏に不安が過るも、それはすぐに消え去った。

そう、ここへ来て、初めて自分以外の人間に出会うのだ。