大好きっ！[短編]

それ以上、二人の会話を聞きたくなくて…



ううん。先輩がなんて答えるか聞きたくなくて…



私は気付いたら玄関に向かって走り出してた。















もちろん二人はそこにいるわけだけど。
















気付かないふりして、通り過ぎようって思って、全力で走った。















だけど、先輩が視界にはいったら、なんか涙出てきちゃって。















泣いてること、気付かれたくなくてうつむきながら走って…



すごい不恰好。



靴ももう履き替えて
すぐにその場から離れようとした










｢玲！？｣










そう呼ばれて立ち止まってしまった。









｢…あ、さよ…なら…｣










私はうつむきながらそう言って手を振るのが精一杯だった。