龍太郎がウンウン唸りながら、山積みになったテキストやプリントに向かう。

その横では相変わらずエンリィが惚けた解答連発で、バルナに指揮棒でペシペシ叩かれている。

「懲りないねぇ、あの二人…補習終わらせる気あるのかねぇ…」

へにゃへにゃ笑いながら呟く魚尾。

しかしそんな様子を見ているのは魚尾だけではなく。

『……』

相変わらず教室の扉の陰から、控えめに覗く無口少女も同様だった。