天神学園高等部の奇怪な面々28

校舎の階段を上がる龍太郎と虹華。

校舎内は風が吹き込まない分、更に暑い。

当然貧乏高校の天神学園にエアコンなどある筈もなく、校内は蒸し風呂のようだ。

「最悪だ…暑い…帰りてぇ…」

ブツブツぼやく龍太郎。

「暑いですねぇ」

龍太郎と同じ事を言ってはいるものの、割とニコニコ機嫌はいい虹華。

階段の踊り場に差し掛かった所で。

「ハッハッハッハッハッハッ!無様な姿ですね、丹下 龍太郎!」

龍太郎は階段の上から高笑いする男子生徒に気付いた。

灰色の髪に灰眼、異様に白い肌。

夏だというのにちっとも日焼けしていない容姿が、修行三昧で日焼けした龍太郎とは対照的。

3年のエンリィ・マッドだ。