天神学園高等部の奇怪な面々28

「ん!美味ぇ美味ぇ」

がっつく龍太郎。

「本当!和音先輩、料理上手なんですねぇ!」

虹華も箸が進む。

密かに喜ぶ無口少女とレイニーボーイ。

自分が作ったと名乗り出ない辺り、二人とも奥ゆかしい。

「ん?」

魚尾が、そんな龍太郎達の弁当と自分の弁当を見比べる。

「どっちも美味しそうだけど…龍太郎君や虹華ちゃんの弁当は、ちょっと俺のと違うんだな…まるで別の人が作ったような…」

なかなか鋭い魚尾。

『あわわわわっ』

「そんな事より、べ、勉強は進んでますかっ?」

慌てて話題を変える無口少女とレイニーボーイ。

いっそ名乗り出ればいいのに。