天神学園高等部の奇怪な面々28

そんな会話を交わす二人を、つかず離れず尾行する人影…。

校門の陰から覗き見ているのは、無口少女とレイニーボーイである。

校門右の門柱から無口少女、左の門柱からレイニーボーイ。

二人はそれぞれ、龍太郎と虹華を見守り。

「『!?』」

お互いの存在に気付いてビクゥゥッ!とする。

言いたかないが、お互いにストーカー気質。

似た者同士で気が合いそうだ。

そんな二人の背後で。

「ラララ~♪そんなに気になるならいっそ一緒に補習受ければいいのに~♪」

バイオリン片手に声高らかに歌う麗しの貴族…っぽい男子生徒。

気温が50℃を超えたって涼しげな顔をしていられる美青年、3年の橘 和音(たちばな かずね)だ。

『か、和音先輩っ、どうしてここにっ?』

「君達こそどうしてここに、だろう?赤点は取っていないだろうに」

無口少女の意見に苦笑いしながら。

「弟が修行を頑張っているからね、家庭科室をミイラ先生に借りて、弁当の差し入れでもと思ったんだが…」

和音はダラダラと教室に向かう龍太郎の背中を見る。

「さて…どうしたものかな…」