天神学園高等部の奇怪な面々28

驚いている龍太郎の傍らから。

「ほら、魚尾(うお)君、教室に入りなさい。補習始めますよ」

バルナがパンパンと手を叩き、誰もいない廊下に向かって言う。

しばらくして。

「はぁい」

チャポ…。

水音を立てて、教室の床から男子生徒が顔上半分を覗かせた。

まるで湯船に潜っているかのよう。

彼はそのままゆっくりと、蒼い瞳と深緑色の髪、189センチの痩躯を現して席についた。

彼が魚尾。

天神学園3年生である。