天神学園高等部の奇怪な面々28

「野郎、俺だって逃げたいの我慢して補習受けてんのに!」

拳を握り締める龍太郎。

「今すぐ追いかけて、捕まえないと!」

ピシッ!と指揮棒を打ち鳴らすバルナ。

「しかし、どうやって?」

和音が冷静に分析する。

「魚尾君は、確か魚の姿になって廊下だろうが校舎だろうが、自由に『泳ぐ』事ができるんでしょう?」

「うっ…」

言葉に詰まるこはく。

ここにいる面子で魚尾を追跡できそうなのは、影を操れるバルナくらいのものか…。

しかし!

「ここは僕に任せていただきましょう!」

一人の生徒が立ち上がった!

「この新世界の神!エンリィ・マッドに!」

…ま…期待してないけど…ちょっと任せてみましょう。