7月某日、天神学園高等部。

強すぎる日差しが差し込む学び舎は、静まり返っている。

爆発音も、ツッコミの声も、椅子や机が引っ繰り返る音も、誰かの悲鳴も。

何も、何も聞こえない。

ある教室の黒板を見ると、色とりどりのチョークで華やかな文字が躍っていた。

『夏休み突入!9月にまた逢おうぜ!』

そんな文字を目にして、クスリと笑っていた生徒会役員のけしからん娘は。

「何を笑っているのです?滑稽なまでに育ちすぎた貴女の乳をですか?はい」

背後からかけられた聞き慣れた、しかし一際ドキンとさせる声に強張る。

振り向くと。

「今朝もはよからサタデーナイトフィーバー!」

シャキーンッ!

雄々しく凛々しく天を貫く右の人差し指。

副担任の箱先生が、サタデーナイトフィーバーのポーズを決めていた。