周りの色と音が 俺の前から姿を消した。 あるのは悲しみと 絶望だけだった。 「今日、特別に朝まであなたと一緒にいてあげるわ。」 「え?」 「その時はあたしをあなたの好きにしていい。」 「真奈美・・・」 「ただし。」 そこでいったん言葉を切ると 真奈美は立ち上がり屋上の出口へと足を運び ドアノブに手を掛け こっちを振り返った。 「明日の夜は、一晩中あたしの言う事を聞いてね。」 と、意味ありげに笑い 屋上から消えた。