次の日、俺は沈んだ気持ちのまま学校に行った。
絶対に榊原の顔見れねぇだろうな~と思った。

「おはようさんっ♪」

「なんだ、正哉かよ。」

朝からテンションの高ぇこの男は
髙木 正哉(たかぎ まさや)。
去年、今年と同じクラスで
俺が話せる奴はこいつぐらいしかいない。

「お前さ~、なんでそんなテンション低いわけ?」

「お前が高すぎるんだよ。」

「んなことないって~!」

本当にうるせえ奴。

でも
今の俺はこいつの能天気な性格が
うらやましくてしょうがなかった。

こいつ、悩んだり堕ちこんだりしねぇのか?

「なぁ、正哉って悩み事とかねぇの?」

「あ?んなのないに決まってるだろぉ?」

「・・・だよな。」

うらやましい限りだった。
俺なんて
女の事で昨日一睡もできなかったんだぞ。

「ん?おぉ?あれって、D組の奥峰真奈美じゃん♥」

「えっ!?」

俺は思わず正哉の指さす方を見た。

真奈美、今日も綺麗だな・・・。
なんて思ったりもして。
俺バカじゃん。

「かぁ~っ!今日も輝いてんなぁ。」

「なぁ、アイツって男遊び激しいんだろ?」

「んぁ?翔太かよ。」

横から口をはさんだのは
隣のクラスの中原 翔太(なかはら しょうた)。

「翔太、アイツと仲良いの?」

俺はなんとなく聞いてみた。

「仲良くねぇけど、美和と仲良いからさ。」

「ったく、相変わらずいちゃこらしやがってよぉ。」

「まぁねん♪」

美和というのは
翔太の幼馴染であり、彼女だ。

真奈美には負けるけど、なかなかの美人だ。