「だけど、高校に入って、地味な自分を変えたくて・・・。中学の頃とは違うあたしになった。」
「うん。」
俺が惚れたのは
その頃の真奈美だ。
「それで、今年、あなたに告白されて・・・。凄く凄く嬉しかった。だけど、どうしたらいいのか分からなくて、あんな条件出したの。」
「そっか・・・。」
美和の言った通り
真奈美は恋愛に疎いんだ。
「だけど、なんだか物足りなかった。あたしって欲張りだから。それで・・・、気付いたら、他の男と寝てた。でも、本当に後悔してる。」
「うん。」
「翔太と寝たのは、あなたにもっと構ってほしかったから。翔太と寝る前の日にあたしを抱いてくれたでしょ?すごく幸せだったわ。だけど、もっとって思っちゃったの。本当に馬鹿よね。」
「真奈美・・・」
真奈美は
辛そうにほほ笑んで
また涙を流した。
「だけど、これだけは本当よ・・・」
「・・・?」
「愛してる。」
「真奈美・・・」
「だから別れたくない!今まであたしがしてきた事は許せないことだって分かってる!だけど・・・っ!」
真奈美は俺の唇にそっとキスをした。
「ずっと一緒にいたい・・・。」
「真奈美、俺は・・・」
「うん。」
「俺はお前を許すことはできない。でも、過去はやり直せないけど、未来はやり直す事が出来る。」
「え・・・?」
「つまり・・・」
俺は小さく深呼吸をして
真奈美の耳元で囁いた。
「もう一度、やり直そう。」

