「あ、もう行かなきゃ。彼が来ちゃうわ。」

「真奈美・・・」

「今日はあなたのクラスメイトの榊原(さかきばら)くんね。」

「真奈美、あのさ・・・」

「また前みたいに問題起こしたりしたら、別れるから。」


“前みたいに”というのは
真奈美が、俺の親友だった要(かなめ)と寝た時だった。

真奈美は、俺と付き合う代わりに、3つの条件を出した。
1.真奈美が誰と何をしても口を出さない事。
2.俺たちが付き合っている事は、信用できる人1人にしか言わない事。
3.真奈美の言う事には絶対服従する事。

この3つを守れなければ別れる。
それが俺たちのルールだ。

俺は、真奈美と付き合っている事を
要にだけ教えていた。

要とは幼稚園からの付き合いで
1番信用できる友達だったし
力になってくれそうだったから。

だから、要が真奈美と寝た時は
どうしても要が許せなくて、要と殴り合いになり
俺と要は3日間の停学をくらった。

真奈美は、俺が事情を話すと
今回だけと言って許してくれた。


でも
それから真奈美が男と寝る回数は以前よりも増えたし
そのほとんどが、俺のクラスメイトや友達になった。


「はぁ~。」

ドアのしまる音を聞いてから
静かにため息をもらした。

いつまで耐えられるんだろう?


そんな事ばかり、考えていた。