────


「相沢、僕は君にやさしくしたことあったかな?」


昼休み。


図書室のはしの机で、僕たちは昼食をたべていた。


「キモい喋るなメシが腐る」


僕の目の前にはさっきと別人の相沢がいる。


ほんとうに別人だと信じたい。


僕がもくもくと弁当を食べていると、相沢が大きなため息をついた。


「なんか喋れよ、つまんないやつ」


「相沢が喋るなって言ったんだろ」


「あんた見た目も最悪のくせに、なかみも終わってるのね」


「僕は君の性格ほど腐ってはいないよ」


「私が完璧だからひがんでるの?」


「は?」


「自分が虫ケラみたいだからって、私にあたらないで」


む、虫ケラ。


いくらなんでもひどいぞ、相沢。