「谷崎君、私に優しくしてくれたんだ。だから私から告白したの」


凛とした透き通る声が教室に響いた。


相沢の声は大きいというわけではないのに、よく通る。


「優しくしてくれただけで告白したの!?」


クラスの女子がその場にいた皆の疑問を代弁した質問をする。


僕、相沢に優しくした覚えが無いんだけど。


「私、優しい人が好きなんだ」


そう言って、にっこりと天使のように微笑む相沢。


僕の目にはもう、相沢が悪魔にしか映らなくなっていた。