「は!?あんた本ばっか読んでるくせに日本語わかんないの?

私の彼氏になれって言ってんのよ」


小さな輪郭に収められた芸術品のような顔のパーツを歪ませ、彼女は言い放った。


あぁ、せっかくの綺麗な容姿が。


教室では天使のような相沢が。


僕の聞き間違いであってくれ。


「もういい、決定ね!あんたは今から私の彼氏だから」


「……え!?」


そんな経緯で、僕は学校一の美人の彼氏になった。


でも当然、相沢は僕に惚れたわけではない。


学校ーの天使は、学校ーの悪魔でもあったんだ。