僕は周りを見渡す。


遠くの教室から笑い声が響いてはいるが、


僕たちのいるこの特別棟の廊下はシンと静まりかえっている。


つまり、ここには僕と相沢しかいない。


僕は言葉の意味を取り違えたことに気付いた。


きっと相沢は、どこかに付き合ってほしいのだろう。


決して恋愛関係になってと言っているわけではないのだ、きっと。


「ど、どこに付き合えば?」


恐る恐る言葉を発する。


こんな美人と喋る機会など、クラスの空気である僕には


一生に一度あるか無いかの経験なのだ。