「ただあんたほんとに暗いよね、見た目もなかみも」


ふふ、と相沢がこどもみたいに笑っている。


最後のひとことは聞こえなかったことにしておこう。


「相沢、もうすぐ授業はじまるぞ」


「わ、ほんとだ」


僕が相沢にひかれたのは単純に美人だからなのか、


それともその意外な性格を発見したからなのかはわからないけど。


僕は相沢とすごす時間が好きで心地いい。


'なんとなく'だけれど、この気持ちはたしかだ。