「そうだね」


利用されていただけだと心のなかで自嘲する。


僕みたいな虫ケラが、相沢とつりあうはずがない。


それに僕は相沢の役にたつことさえできなかった。


相沢は自分でしあわせをつかみにいったわけで。


僕の存在価値って、あるのだろうか。


「おまえただでさえ暗いのに、なんかさらに暗いぞ」


タクヤが僕の頭をぽんとなでる。


男にそんなことされても、うれしくない。