「だって告白してふられたらどうするの?私そんなのムリ」


さっきから彼女はこう言ってきかない。


「鏡を見るんだ相沢。その顔で振られるわけないだろ」


「それは単純バカな男の話でしょ?伊藤はそんなんじゃないの」


伊藤君は、女の子と適当に付きあう人ではないらしい。


たしかにそんな雰囲気を醸しだしている気もする。


相沢も見た目だけは美人でおとなしいイメージだから、

並ぶと本当にお似合いだとおもう。


見た目だけは。


「まだ高校に来てから話せてないの」


右手で前髪を整えながら、相沢はそう言った。