「……理由聞かなかったの?」
「うん。
なんかほんとに別れて欲しそうだったし。」
いっつもはおちゃらけてるのに、いきなりあんな顔されたら、そりゃあなんにも言えなくなるよね。
今まで見た中で1番真剣な顔だったよ。
「あいつが別れたがったからって関係ないわよ。
あんたは本当にそれでよかったの?」
「だって顔が真剣だったから…」
「そんなの関係ないわよ。
あたしはあんたの気持ちを聞いてるのよ。」
少し荒い口調で迫ってくる鈴木。
私の気持ちって言われても…
「まあ友達に戻ろうって言われたし、それでもいいかなって。」
私が迷っていたら、あいつは“別れてもさ、縁が切れるわけじゃないんだから”って言ってくれたんだ。
「…あんたはそれでいいの?」
「なにが?」
「だから、美都は友達でもいいと思ってるのかって聞いてるの。」
「うん、全然いいよ。
せっかく仲良くなったのに縁が切れたら悲しいけどさ、友達になれるんならむしろ大歓迎だよ!」