「魂………。」
言われなくても放つ光で何となく分かった。
濃くて黒っぽい赤をしたキラキラした塊が ロアンの胸に埋め込まれていた。
「……これが俺らが奪われてしまうことを恐れる魂を結晶化したものだ。」
「…結晶化……。 みんなそこに埋め込まれているの?」
「あぁ。」
衝撃的だった。
生々しく埋め込まれたその魂は 触れるのも躊躇うほどに黒々と痛々しかった。
「…っぅう…!!」
急に吐き気が込み上げてきて 私はロアンから目を反らした。
「…すまない。 話すだけでは信じられないだろうなって。」
胃液が逆流してきて 口に苦い液体が広がった。
涙が出てきて 目の前が揺れる。
それらをぐっと飲み込んで 声を絞り出した。
「平気よ。 ちょっと気持ちが悪くなっただけ。 続けてちょうだい。」

