歩いているとまた 誰かの叫び声が聞こえた。
「番人は中に何人いるんだじいさん。」
じいさんを見ずに言った。
内に秘めた恐怖を悟られるのが嫌だった。
「4人じゃ。」
「4人っ!? たったの4人かよっ!? 叫び声は複数だった。 4人なんてジェリロリックにとってみたらきっと楽だろう!!」
「ロアン お前はジェリロリックが4人の番人を殺すと思っているんじゃな。」
俺はハッとした。
確かに ジェリロリックが番人を殺すってそんなのあるわけない。
だってみんなもう死んでいる。
それに 血も通ってないから出血しないし 神経だって死んでいるから痛みもない。
……じゃあ何で悲鳴が聞こえるんだよ。
「…じいさんもしかして はめられてんじゃ……」
グッとじいさんの腕をつかんだ。
「悲鳴が聞こえたらみんな何事かってここに集まるだろ。 アイツはそれを狙ってんじゃないのか!?」
じいさんは表情1つ変えずに一度だけ瞬きをした。
「……舞い上がるな馬鹿者。 わしより早く気付き走ってきたからと 英雄ぶっているつもりか。 何が狙いか知らんが 冷静さを失っては何も得られん。」
じいさんの言うことは真っ直ぐ俺に刺さった。
何もかも その通りだ。

