君とは違う私の世界。





自分がえらく緊張しているのが分かった。


じいさんはどういう選択をするのかな?


死んでからこんなにガチガチになるのは初めてだな。


全く無意味の深呼吸を深くし終えると ロジェルタは重い口を開いた。


「…んん……。 お前がどうしてもその道を選ぶなら どうやらわしらはここに 牢獄を作らねばならぬようじゃ。」


その表情は どんな生き方をした人にも安らぎの場を創りたいとしてきたロジェルタの苦情が滲み出たものだった。


「誰の魂もやらんよ。」


ロジェルタはそれだけ言うと ジェリロリックに背を向けた。


それをまるで合図と取ったように番人が ジェリロリックをさっきよりずっと強く 縛り付けた。


ジェリロリックはもう顔を真っ白にして ただただロジェルタの背中を見つめていた。


俺はただ立ち会っただけだった。


じいさんがそう言ったから。


だけど すごく胸を打たれたんだ。

       ・・・・・・・・・・・
確か この時にじいさんみたいになろうって決めたんだ。


それくらいに すごくかっこいいと思った。


番人らも そんなロジェルタを誇りに思っている。


口にはしないだろうが きっと誰もが彼を敬う気持ちを持っている。