君とは違う私の世界。





持っていた杖をジェリロリックに力強く向けた。


「殺人犯を差別しているわけではない。ここには牢獄も罪もない。何故ならわしらはすでに死んでおるからな。」


息が少し上がっていた。


だがその足はしっかりと床につき 体を支えた。


「ここに魂を捧げ 永遠に星にならないと誓え。」


それはつまり デス・ヘヴェンに永遠の命を宿すということ。


「そりゃいいな。俺のこの魂をここに差し出し 星になれないようにと。」


ニヤニヤとした笑みを浮かべた。


「おぃじいさん、あんたもそうなのか? ここに魂を捧げたのか? 永遠の命とはいいものか? 気分はどうだ? 俺を縛り付けるこいつらもみんなそうなんだろ? こいつらみんな 俺と同じ犯罪者だろ?」


そして高らかに声をあげて笑う。


「はっはっはーっ!! 馬鹿馬鹿しい!!」


その笑い声に反応して 後ろに組まれていた手首の縄が更にきつく巻かれた。


それをぶんっと振り払い 番人が突き飛ばされた。


「俺はこいつらみたいにはならない!! 犯した犯罪償う気なんかない。 星になるまでずっと。 いや 星になど俺はなれない。 もしこの世から追放されて 何もかも失えるのなら俺はここを受け入れてもいいさ。それができないなら俺は迷いなく あっちに戻る。」


彼の語りはとても穏やかだった。


だが 内容は残酷だった。


まるで 自分が世に存在したことを抹消したがるようにも聞こえたからだ。