君とは違う私の世界。





「なるほどな。入れたまえ。」


「はっ!」


さっきまで怯えた顔だったロジェルタも きゅっと表情を引き締めた。


それと反対に フラフラしながらガードマンに拘束されて部屋に入ってきた男の顔は 酷く怯えていた。


長いオレンジの髪を1つに束ねて 暖色でまとめられた綺麗なスーツを着ていた。


こんな格好で死んだのか?この人は。


じろじろと見回していたら ジェリロリックが叫んだ。


「俺を生き返らせてくれ!!」


だが 皆がその様を見て笑みを浮かべた。


いきなりロジェルタを怒らせたなぁ。


「なぁに戯言を言う!!主は残虐な殺人犯じゃと聞いておるぞ?その分際でよくそんなことが言えるな!!」


すごい剣幕でロジェルタが言ったことは 尤もなことだった。


俺がロジェルタを慕う理由。


それはきっと ロジェルタの考えること全てが人を引き付けるからだ。


「主のような犯罪者はだな、主を拘束している奴等のように ここデス・ヘヴェンでしっかりと罪を償うのが決まりじゃ!! 我が城 そして街を守り 汚れた魂を洗うのが道理じゃ!! やり残したことをやり直すような贅沢な死を与えるために死罪になったわけではあろまい!! 馬鹿者!! 死罪とは 罪と命の重さを知るためにあり 反対に 全てを取り戻すチャンスにだって成り得る!! いいか若者よく聞くがいい。 死をもって分からないのならば 主はここでの存在理由などない。 ならば作ろう。 主がここから永遠に存在理由を失わない存在理由を。」