君とは違う私の世界。





「じいさん?何を怯えてるんだよ。俺らはもう死んでいるじゃないか。痛みも感じない。もう死なない。」


怖かった。


ロジェルタが怯えるだなんてよっぽどだ。


何かの間違いだよきっと。


「ロアン、城から出るでない。お前にそれだけの覚悟があるなら、全てを見届けろ。」


「・・・じいさん?」


しばらく長い沈黙が続いた。


そうだ、ぼくはじいさんの子分だ。


じいさんになりたいとは思わない。


だけど、じいさんみたいな偉大な人になりたいよ。


「ここにいる。」


喉なんて渇かない体なのに喉が渇く。


心臓なんかもうとっくの前に止まっているのにドキドキする。


寒さなんて感じないのに身震いする。


「来たな・・・。」


____ドガン!


扉が酷く乱暴に開けられた。


「番号0965、代表で連絡いたします。確保したのはジェリロリック・スパスキーであります。この頃多い殺人により亡くなられた方々の多くは彼の手により 命を落とされたと思われます。」