トンッ


バスから降りて、地に降り立つ者がいる。
名は――<蒼神 雪羅>

暖かい風が、雪羅の腰まで伸びた藍色の髪を揺らす。
大きく伸びんし、真新しいロングコートに身を包んだ者。



「……変わってないなぁ、ここも」


溢す言葉が、一度来たことがあるということを物語っている。
バスが去っていくのを見ながら、これからどうすべきか考える。