あのこになりたい

私は、1時間ほど泣いて泣き疲れて眠ってしまった。


起きると辺りは暗くなりつつあった。


綾は…ちゃんと花火大会に行ったかな。



花火が上がるまであと20分。


泣き過ぎて重い頭を持ち上げて立ち上がった。



綾に…謝らなきゃ。



携帯を開いてみたけど、なんて言えばいいのか。



もしかしたら拒否られるかもしれないし。



でもこのままじゃ…



私が悩んでいると、大きな音と共に色鮮やかな花火が上がった。



「あ…シュン…」


私は、綾の家に灯かりがついてないのを確認し、とりあえずシュンに会いに行くことにした。



トボトボ歩きながら、浴衣を着たカップル達とすれ違う。


はしゃぐ子ども達は楽しそうで幸せそうで…



何もこんな日に綾を泣かすことなかった…


そう思って泣いた。