あのこになりたい

面白くない。


シュンは若菜さんのこと…

だったら若菜さんのこと奪っちゃえばよかったのに。


わからない。


自分の気持ちがわからない。



綾里…って呼んでたな。


恋ってドキドキだけじゃない。



こんなに痛い…


ただ一緒にいただけ。


またCD借りただけかもしれない。


私は自分に言い聞かせた。


静かな部屋の中、携帯が鳴った。


「綾…」


『明日会えない?』



来る予感はしてた。



このまま耳を塞いで現実から目をそらし続けることもできる。



でも…



ほらね。やっぱり綾の家にいる私がいる。



「昨日はびっくりだったね」


綾が言った。



「うん…」


私は聞きたくないことを聞かなきゃいけない予感がして、無口になってしまう。


「あのね…私、幸輔と付き合ってるの!って言っても昨日からだけど」