あのこになりたい

「咲ちゃんいらっしゃい」

綾のお母さんの久しぶりの笑顔。


「お邪魔します」


私は笑顔で頭を下げた。



「咲ちゃんは白いわねぇ。綾なんてすごいでしょ?」

綾のお母さんは笑いながら言った。



「部活頑張ってんだから仕方ないじゃーん」


綾はほっぺたを膨らませて言った。



「あの子も黒かったわよねぇ。幸輔くんだっけ?」


え…?


綾のお母さんがなんで幸輔知ってんの?



「幸輔…?」


私は自分の鼓動で息苦しくなるのを感じた。



「あぁ…この前、幸輔がCD借りに寄ったの」


綾が言った。


「幸輔くんかわいいわよねぇ。イケメン?ていうの?」


綾のお母さんが言うと、


「無理してイケメンとか使わないでよぉ」


綾は笑いながら言った。


綾と幸輔、最近仲いいんだ…


家にまで来ちゃう仲なんだ。