あのこになりたい

「別に…変わりないよ」


私は短く答えた。



「え〜。でも幸輔が前、男といるの見たって」


えっ!?


「嘘…」


私は頭が真っ白になってしまった。



「ほんとだよ。だってメール…ほら」


綾は携帯を差し出した。


なんで綾が幸輔とメールしてるの?


嫌…


「違う…あれはお兄ちゃんの友達」


どうしよう。誤解されたら。


「そっかぁ。だよねー。咲に彼氏できたら絶対私に教えてくれるから。たぶん違うよーって幸輔には言ったんだけどね」


綾は特に気にしていない様子で話した。



「幸輔と仲いいんだね…」

私はなるべく自然に聞いた。



「クラス一緒で、席も隣だから。話す機会が多いの」

やっぱり私も同じ学校にすればよかった…


家近くても全然会わないし。


「幸輔っていつもだるそうにしてるけど、意外と優しいんだよ」