あのこになりたい

6月に入って、綾と久しぶりにゆっくり会った。


綾は部活のせいかますますスリムになっていた。


「咲ちゃん学校どう?綾ったら咲ちゃんがいないから寂しいばっかり言ってたのよ〜」


綾のお母さんは笑って言った。


エプロンが似合う小柄なお母さん。


いつもニコニコして優しそう。



綾は、


「もう、余計なこと言わないでよ〜。バカァ〜」


笑いながらお母さんにもたれた。



「いつまでも甘えん坊で恥ずかしい子でしょう。咲ちゃんを見習いなさい」


綾は笑っていた。



眩しい光景。


私にないもの…綾は当たり前のように持ってる。


それがどれだけ幸せか知らないでいつもわがままばかり…


不公平だ。


こんなに頑張ってるのに…

どうして。



「咲、最近どうなの?」


綾は無邪気に聞いてくる。