あのこになりたい

着信音が鳴った。


シュンだ。



「もしもし…」


私はなるべく普通に装った。


「あのさぁ、今日…若菜と一緒にいた?」


「え…い、いや。なんで?」


私は思い切り動揺してしまった。



「いや、たまたま見かけて…」


シュンの話し方からして何かしら様子がおかしかったことに気づいているようだ。


「どこで…?」


私が聞くと、


「カラオケに入ってくのを見た」


シュンが言った。



「いや、二人でカラオケ行こうかって話になってね…」


不自然だよね。


わかってる。



「そっか…」


シュンは私が何も言わないのでそれ以上何も聞かなかった。



「ねぇ…シュン。もし、赤ちゃんができたってなったらどうする?」


私はやっぱりシュンならどうするか気になって聞いた。