あのこになりたい

「学校は…?」


若菜さんが聞いた。



「明日は入試があるので学校休みなんです」


私が言うと、若菜さんは静かな声で、


「じゃあ…明日…」


と言った。



家まで若菜さんを送って、私は走って帰った。



「ただいま」


私の声に母は、


「どれだけ遠い本屋に行ってきたのよ…」


と言った。



「ずいぶん遠い薬局に行ったのねぇ」


私の手元を見ている。



「あ…」


私はこのナイロン袋を母に渡した。



「何これ…誰が飲むの?」

母は不思議そうに袋の中を見ながら、


「大丈夫…?」


と言った。



もう吐き出してしまいたい。


でも…秘密は守らなきゃ。


私はヨロヨロしながら部屋へ戻った。



ベッドに横たわって天井を見つめていた。


若菜さん…


どうするのかな。