髪が長いと寝癖がつかなかったから…



これからは気をつけなきゃ。



家まで送ってくれたシュンに、


「よかったらご飯食べて帰って…」


と、母が言った。



「咲、思い切ったわね…でも、よく似合ってるじゃない。明るくなったわ」


母はようやく髪を切った私の気持ちに気づいてるのか、気づいてないのかわからないけど…



たかが髪を切ったにしては大袈裟なほどの喜びようだったのは確かだ。



髪を切るには最高のタイミングだった。



髪を切ったから変わったじゃなくて、変わったから切るっていうのもいいな…