見守ってる…



それは、兄が一人で戦う姿を…?



兄の苦しみを、父や母はわかっているだろうか。



何が苦しくて、どうつらいのか…



それも知らずに見守っているなんて言えるだろうか。


体のあざが消えてなくなれば、全てが元に戻るわけではない。



目に見えないところについた傷の方が治りにくいんだ…



髪が伸びたからと言って、何ひとつ回復していない私の心の傷のように…



兄のあのうつろな目には、一体何が映っているだろう。


何も映っていないのかもしれない。