あのこになりたい

午後の部は満腹感でうとうとしているうちに気づけば…


「岡田ー!!」


ビクッ


目を開けると、三井…



「うわぁ…」


私はあまりの驚きで後ろにひっくり返りそうになった。


「リレーメンバーは入場門だ。眠った分速く走れるんだろうなぁ…」


三井はそう言い残して去って行った。



「無理…」


私はボソッと呟いた。



「何?」


三井が振り返った。



「何でも…」


地獄耳…



私は急いで入場門に行った。



女子は半周、男子は1周。

交互に走る。



「岡田…最初に走れ」


三井…


どこまでも鬼。



「でも練習では…」


私が言いかけると、


「一番眠った奴が最初」


三井は笑みを浮かべて言った。


「はい…」


私は力なく返事した。



「ごめんね。私あがり症で…プレッシャーに弱くて」

第1走者の女の子が言ってきた。



それで三井が…


それならそうと言ってくれればいいのに。