なんとか学校についた私たちは急いで中に入った


「あ-間に合った…あ、はい!これ!重いけど教室まで頑張れ!」


そう言って男の人は腕にぶら下げていた荷物を私に渡した


「あ、ありがとうございました…」

汗だくな男の人を見上げるようにして礼を言った


「い-え、早く教室いきな?」


そう言って男の人はまた笑顔を見せた


どきっと胸が鳴るのがわかった


しばらくぼ-っとその男の人を見つめてしまった


「…?チャイム、なっちゃうよ?」


男の人は不思議そうに聞いてきた


「…っあ、はい!ほんとに、ありがとうございました!」


少し重くなった腕を振って教室まで走った


走っている最中に振り返ると男の人は職員室に入っていった


(やっぱり関係者の人かあ…優しかったなあ…)


そう思いながら廊下を走った


走りながらあの人の笑顔を思い出すと


どきんどきんと胸が鳴った



…これは走っているから?


胸の高鳴りの意味がわからず教室へ入った