「うわっ、こんな重いの持ってたの?


これは女子に持ってこさせる荷物の重さじゃねえよなあ」


その男の人は今まで私が持っていた荷物を


自分の腕にぶら下げた


(あ…持ってくれたんだ…)


自分も荷物いっぱいなのに…


「あっありがとうございます!」

私は申し訳なさそうに腰を曲げて言った


「いーよ、いーよ、とりあえず走ろ!」


そういって男の人は笑顔で返してくれた



その男のひとはときよりこっちを見て


私と歩幅をあわせて走ってくれた


ほんとはもっともっと足速いだろうに…


ほんとに申し訳ないなと横を見ると


男の人はやっぱり笑顔で視線を返してくれた




「あっちぃ…」

ネクタイを少し緩める姿に少しドキッとした



(あれっなんで私知らない人にときめいてるんだろっ!?)