ビリリリリリリリリリリ

大音量の防犯ブザーが荒廃しきった町には不釣り合いな豪邸から鳴り響いた
其処には小さな人影がライトに照らされている

そして慌て警備員が飛び出してきた

警備員達がその人影に手を伸ばした瞬間
バタバタと音をたてて警備員達は倒れた
人影はその間に急いで屋敷に忍び込んだ

そして長く巨大な廊下を奥へ奥へと進んでいく

バンッ

一番奥の大きな扉を開いた
その先には巨大な部屋電気はついていなく中の様子はわからない

「パチパチッ
いや‐ こんなに早くやって来るとは思ってなかったよ
スゴいよ ルクス君」

「……ブレイ・ファリス」

全く男の方を見ずに答える
その声は何時もより暗く少し哀しそうだ

「おや
まだ私の名前を覚えて居てくれたとは光栄だね
どうだい少し昔話でもしようか
もっとこっちへおいで…」

カツッ カツッ カツッ

躊躇なくゆっくりと近づく

ピタッ

「あぁ、本当に久しぶりだ懐かしいな」
グサッ

短剣が男に刺さる
そして着ていた上着を投げ捨てた

「…誰だお前は」

ファリスは床に崩れ落ちた
そして煉耶は躊躇いもなく短剣をファリスの腹から引き抜いた

短剣の抜かれた腹からは大量の血が溢れ出した