花火が一番綺麗に見える場所。 屋台から少し離れた先にある高台に私たちは来ていた。 ここに来る間も、ここに来た今も何も話さなかった。 別に気まずいとも思わなかった。最近はこれが普通だったから。 それほど私たちの関係は冷めていた。 「あのさ、後で話があるんだけど」 あと5分ぐらいで花火が始まる、というとき唐突に話しかけてきた。 「うん、分かった」 きっとこれで終わるんだ。 そう思うと、今すぐにでも涙が出てきそうだけど我慢した。