「空!体が透けてる!」 俺の体が透けてきたから。 「もう俺には未練が無いから。お別れだよ、海」 俺が言うと海は一気に涙目になった。 ...わがままかもしれないけど、最後にはせめて笑ってほしかったな。 「空のことずっと大好きだから。私がそっちに行くまで待っていて」 空は自分の目に溜まった涙を拭って俺に言った。 「うん。待ってるよ」 俺のその言葉を最後に俺の姿は完全に見えなくなった。 俺が最期に見た海は今までで一番の笑顔だった。