とくにすることも無かったので、そのまま外の景色を見ているとドアが急に開かれ、誰かが声をかけた。 「...奈津?もしかして、起きたの?」 あたしは自分の名前を呼ばれるままに声の聞こえたほうを向いた。 そこには、見覚えのある顔があった。 「奈津?体はもう大丈夫なの?」 あたしの名前を呼ぶ声にも聞き覚えがあった。 「奈津?聞こえてるの?」 「......お母さん?」 そうだ。この顔は、この声は紛れも無くあたしのお母さんだった。