涙が途絶える日まで


「そのかっこ、俺の好みまんまだね」

『うっ…うん。似合わないよね。』

「いや、いんじゃね。」

『そっかな?』

「おう。お前と会ってたらわかばに怒られそう」

私の好きな笑顔でそんなこと言わないで。

今だけは私をみてよ…

『わかば…ちゃん。』

「あーみえてあいつ寂しがりやだからさ」

『そうなんだ。』

「うん。」

『向こうも男といちゃついてるから…』

「え?」

『だから彩部が怒られるのはおかしいよ。』

「わかばが男と…」

『えっ知ってたでしょ…?』

「初耳。」

うそ…

私彩部のこと傷つけた。

言わない方がいいこともあるのに…

けどこの時の私は本当に醜い。

このまま別れちゃえばいいのに

そんなこと思っちゃって…

最低だよ。

だからフられたんだよ。

こんな私が彩部と付き合う資格なんて

ないのかもしれない。

だけど

別れてほしい

この気持ちは私の本音。

だから私はあの時みた光景を

彩部に話し続けた。

『あのね…』

学校から帰るときに見たこと

どっちかの家に行こうとしてたこと。

彩部はうつむいて

静かに話を聞いてた。

顔が見えないから

きずついてるのか、

泣いているのかわからない。

でも確かに私は彩部を傷つけた。

言い終わった後に

罪悪感、満足感とかゆう

なんともいえない感情を感じた。