涙が途絶える日まで


ちょっと早めにでたから

コンビニに寄って、

パン買っていこう。

20分頃、

学校の近くの駅に着いた。

ここから歩くのが

1番早いはず。

まだ時間があったから

のんびりとその場所に向かった。

彩部のお気に入りの場所。

暗いからよく見えなくて、

でもそこだけ、

空気がちがった。

小さな道を通ったとき、

そこにあるのは

暗くて静かな・・・

彩部だけのものだった場所。

今はどうなんだろう。

でもここは私の居場所じゃない。

浮気してても、

二股してても、

彩部が「わかばちゃん」を選んだ。

それだけ好きなんだ。

それならココは

彩部とわかばちゃんの場所。

わかばちゃんは

ココを知ってるのかな・・・?

ヤバイ。

涙腺やられる~っ!

悲しさを抑えるような

ヤケクソな気持ちでパンをかじる。

しばらくすると…

「ごめん。遅くなった。」

ケイタイを開いてみると

待ち合わせから

もう20分過ぎようとしていた。

『あ。ううん。だいじょぶ』

「本当に来てくれると
 思わなかったから。」

『平気だよ。』

それから私達は、

元恋人なんて思わないくらい

普通に他愛も無い話をしてた。