~留美~

とうとう約束の時間になってしまった。

あーもうすぐだよ。

部活に入ってないから

誓がくるまで暇だった私は

友達の部活してるところを

見学に行ったり

話したりしてた。

部活もそろそろ…決めないとなぁ…

テニスコートに行ったら誓が打ってた。

若干茶色のまとめた髪をゆらして

すっごい笑顔で打ってた。

邪魔しないようにと思って

何も見てない振りして

その場を離れたかった。

だけど誓と目が合っちゃったから

手をふったら

あはって笑って

すごい勢いで振り返してくれた。

その笑顔は本当にきゅうんとくる

可愛い笑顔だった。

そんなこともあり

もう完全下校時刻。

私は今門の前で誓を待っている。

「悪い。待った!?」

そうとう急いで着替えたんだな。

『誓、なんかぐしゃってなってる!』

私が前髪を直すと誓は

ぼふっと私の首元に頭をうめてきた。

『ち、誓?』

「やべ。ハズいよ。留美~」

そのままぎゅうってされる。

『うふ。うぅー苦しいって!!』

「ごめんっっ!」

とっさにはなした誓の顔は

真っ赤で可愛かった。

だからつい私も

ぎゅうってしちゃったんだ。

私、誓のこと、好きになれると思う。