それは中学卒業前の冬休み。

『緩菜、別れよう‥ごめんな』

『なんで‥?』

私は意味が分からなかった。

『俺‥北海道に行くんだ』

『なんで‥』

『親の転勤なんだ。本当にごめんな…?遠距離はさすがに無理だろ…』

雄斗と離れ離れなんて考えられなかった。

『や…だ、や、グス…だ、やだ…雄斗ぉー』

『埼玉と北海道なんて、無理だろ!!俺だって緩菜と別れたくない。でも…しかたないだろ…。ごめんな、ごめんな。』


雄斗は私をそっと抱き締めてくれた。